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About JOMS

1月17日に生まれて

ラリーが好きだった。頼まれて医療機材を携えて、全日本モトクロスやスーパークロスの試合に出かけていた。1995年1月17日、阪神大震災。奇しくも1月17日は私の誕生日。なぜか、ロシアのラリーで使用したバイクが数日前、整備を終えて返ってきていた。音信不通の教授を探しに被災地に入った。地割れと段差だらけの43号線を全開で神戸へ向かった。他の車はほとんどいなかったが、オーストラリアの砂漠に比べれば何でもない。やがて、2号線に出て、愕然となった。崩壊した街と車で埋まった道路。方々で火の手が上がっていたが、誰もどうすることもできず、多くの人々が呆然と歩いていた。まるで、現実味のない悪夢をみているようだった。夕闇迫る頃、やっと芦屋で、教授ご夫妻の無事を確認し医局へ連絡した。大阪への帰路、真っ暗闇の中で、ヘッドライトが映し出したのは瓦礫と化した街の残骸だった。「いったいこの下にどれだけの人が埋まってるんだ!?」バイクに医療機材も積んでいた。どんなに崩壊した災害地でも入って、生還できる自信もあった。しかし、このとき思い知った。「1人じゃ何もできない‥」。それ以来1月17日は私には単なる誕生日ではなくなった。災害救助医療ボランティア「JOMS」が誕生したのは、皆で「JOMS」と命名した日でも、NPOに認可された日でもない。1995年1月17日。私が、阪神大震災の現場で災害救助医療ボランティアを作ろうと心に決めた日。この日こそJOMS設立の日なのだ!

ジャパンアウトドアーメディカルサポート代表 中川泰一


※JOMSは、災害救助医療ボランティアである、特定非営利活動法人ジャパン アウトドア メディカル サポートの略称です。


JOMSの概要

  • 名称
    • 特定非営利活動法人ジャパンアウトドアメディカルサポート
  • 略称
    • NPOJOMS(災害救助医療ボランティア)
  • 設立
    • 2005年11月25日(大阪府による承認)
  • 代表
    • 理事長 中川泰一
  • 所在地
    • 大阪市大正区小林西1-1-1ときわ病院内JOMS事務局
  • 電話番号
    • 06-6551-1827
  • FAX
    • 06-6551-1829

スタッフ紹介

  • 中川泰一
    • 医師・JOMS会長
  • 東福寺保夫
    • 全日本モトクロス9年連続チャンピオン
  • 増岡 浩
    • パリダカールラリー2002年度初優勝・2003年度総合優勝

サブカテゴリー

JOMSの概要
医療関連活動
IT関連事業
救護活動


救護活動

「日本のオフロードレースにおける医療サービスの空白の時間」

このレース活動における救護活動の空白の時間帯は、救急車がいくら速くても埋めることは出来ません。「外傷病院前救護ガイドライン」によると、外傷による死亡には三つのピークがあることが知られています。

第1のピークは現場での即死であり事故予防以外に対策はありません。

第2のピークは受傷後の数時間以内の死亡であり、大量出血、胸部外傷、頭部外傷です。

この患者さんの生命は、病院前救護と医療機関での初期治療の良否により左右されます。

第3のピークは医療機関に収容されてから数週間後に死亡するもので、ショックの遷延や感染、

敗血症などを原因とする多臓器不全です。

さて我々JOMSの活動では、この第2のピークが活動時間帯となりますが、外傷治療は、受傷後の1時間以内に開始されるか否かが患者さんの予後を左右することが知られています。この1時間は、「外傷病院前救護ガイドライン」では「ゴールデンアワー」と呼ばれています。これは重傷外傷に進行する症例の多い高速で移動する高エネルギー外傷の負傷ライダーの現状を考えると、当然のように当てはまるでしょう。


ここで重要となるのが、病院前救護を担当する救急隊と初期治療、手術を担当する救急医療機関の連携です。アメリカのメリーランドにおける有名なショック・外傷センターの医師の学術発表によると、重傷外傷の負傷者にとってその生存は時間との戦いでもあるとされています。その医学的な根拠は膨大なデータの集積によるもので、根本的治療までの負傷者の生存率との関係について最も生存率が高かったのは受傷後1時間以内に手術室に入ることが出来た負傷者群(約85%)でした。今ではこの1時間を「黄金の1時間;ゴールデンアワー」と呼ばれています。

すなわち、救急医療機関では負傷者の到着から手術の開始まで30分以内を目標としており、病院前救護の時間は30分しか残されていません。仮に消防署→現場→病院までの時間が20分とすると、現場での活動時間は受傷後の最初の10分しかありません。この10分は「プラチナタイム」と呼ばれており、極めて短時間に現場の状況を判断し適切に処置を行い、負傷者の重傷度や緊急度を判断し、適切な医療機関に搬送しなければなりません。また、適切な医療機関の選定とは、治療の出来ない近い病院を飛び越えて遠くても適切な治療が可能な病院を選定することで、「トラウマバイパス」とも言われています。

またコース内におけるJOMSの救護活動は、何も応急処置を実施せずに負傷者を病院に搬送する「スクープ&ラン」とは対面に位置するもので、生命の危機に直結しない観察や処置を受傷現場で省略し搬送時間を短縮する「病院前救護ガイドライン」の「ロード&ゴー」と呼ばれる概念とも共通しています。

さてレースでの負傷には、単純骨折からライダーの選手生命を左右する重大なものまで様々です。また緊急度と重傷度を見誤ると生命の危険も発生します。

昔、私が救護に携わる前の話ですが・・・

モトクロスではポピュラーな骨折である鎖骨を骨折したライダーが発生しました。彼は以前にも反対側の鎖骨を骨折した経験のあるライダーでしたが、今回は鎖骨の下の太い血管も損傷していたようです。鎖骨骨折のライダーは家族やレース仲間の手前、強がって骨折の痛みを我慢して、何とか自宅近隣のいつもの病院まで運転するつもりでしたが、その間に出血は体内で流出し続けます。そして運転中に失血により貧血発作をおこし意識消失で同乗者の家族とともに・・・


しかし、もし専門の教育を受けた者がその場に居たらどうでしょうか?

JOMSの救護活動では、負傷部位が鎖骨骨折だけの場合では、まず鎖骨バンドや三角巾を用いて患部を固定し氷水の氷嚢で痛みの緩和を図ります。次に左右の両腕の血圧と脈拍、リフィリングタイムの測定を実施しつつ神経障害の発症を探ります。 血管と神経の損傷が否定できないときは、キチンと納得がいくまで説明を行い救急搬送をお勧めします。


では、全日本選手権(近畿名阪大会)での活動を紹介しますと、JOMSのメンバーには、医師、看護師(処置室ナース・コース内機動ナース)救急隊員、JOMS認定インストラクター(リーダー)、アドバンス(中堅さん)、プロバイダー(修行中)と階層分けされたうえで任務分担されております。(上下関係は存在しません。あくまで任務分担です。)

機動ナース、救急隊員、JOMS認定インストラクターのメンバーは、コース内に死角のないように分散配置した救護チームのリーダーを担います。

まず、転倒者の発生とともに、コース内の安全確保をコース審判と行い、素早く負傷者に駆け寄りますが、意識レベル、呼吸、脈拍、神経症状の初期観察を数秒で実施した後に、バックボードや担架などでコース外の安全地帯へ緊急避難します。

 次に安全なコース外で詳細に全身の症状を観察し、救護所の医師に携帯無線で連絡し緊急搬送か、応急処置を実施するかを判断します。(緊急度によって現場まで医師も走ります!) 

そして救護所に搬送後、医師により再度詳細な診察や治療が開始されるわけですが、もし運動神経や知覚神経の障害や左右差、大出血、緊急度の高い所見が見られた場合は、本人や家族の方に詳しく説明し救急車の手配を行います。

そして、同時に近隣の対応可能な救急告示病院に症状を連絡し、収容依頼の手配をしますが、超緊急時の場合は医師が救急車に同乗し、搬送病院の医師に発生直後からの所見を説明し、治療方針の優先順位の決定に寄与します。(昨年は緊急オペまでして帰ってこない医師もいました・・・)

しかし、全ての負傷者が重傷なわけではなく単純骨折だけで、神経障害や血流障害などの緊急性のない所見だけの場合では、シップをあててシーネ固定を施し病院紹介のみとなります。


JOMSのメンバーは、バイクが大好きです。海外ラリーに出場するライダーであったり、現役レーサーであったり、まだ免許も持っていないメンバーも居ますが、バイクに関係するお手伝いが出来るだけで嬉しいのです。雨の日は泥がライダーの眼に入らないか心配し、暑い日は熱中症にならないか心配する心配性のサポーターの集団が、JOMSです。                                  (nishii)






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